脇町うだつの町並み

カテゴリー │見学

脇町のうだつの町並み」を訪れましたあしあと黒


うだつ」とは、2階の壁面から突き出した漆喰塗りの袖壁のことです。
もともと、火事の防火壁として作られ始めましたが、
明治以降は装飾にも凝るようになってきたようですicon35


                         ↑この壁のことです。



ことわざで、「うだつが上がらない」という言葉がありますが、
設置するにはそれなりに費用も要し、比較的裕福な家に設けられることが多かったことから、
その慣用句として、「仕事などで成果が出ず、先の見込みがない状態」という意味で
現在は使われるようになったそうです鉛筆

ちなみに「うだつ」は漢字では「卯建」と書きます。


icon30さて、ここ「脇町」がどこかというと「徳島県美馬市脇町」のことで、
四国の↓この辺です!



icon26一気に紹介します!
町並みです。とってものんびり感がある町です。素敵ですね。icon01


競い合っているのが分かります。


すっきりとしたデザインの「うだつ」です。


鬼瓦もみどころですね。


どっちが勝ち!?なのでしょうか??


はやく修復したいところです。


迫力ありますね。


他にも、虫籠窓 (むしこまど)もみどころです。


これが虫籠窓 (むしこまど)です。左官のシゴトで漆喰を塗ります。







明日は、「脇町うだつの以外の左官」を紹介します!?









 

輪島の土蔵修復活動の展示

カテゴリー │土蔵

建築士会全国大会「徳島大会」で、

輪島の土蔵修復活動の展示がありました。
http://wajimareno.exblog.jp/

輪島で何度もお会いした石川県建築士会の「表さん」
まさか徳島県でお会いできるとは。。。



こんな形で、建築士へ「左官」のアピールをしていただくことは
とても嬉しいことです。。。icon01



 

さぬきうどん

カテゴリー │■その他

左官以外にも、「さぬきうどん」安さとおいしさに感動しました


しょうゆうどん。「ネギ」と「ダシしょうゆ」のみのシンプルな味付けだけです。
超うまっicon22


なんと!130円icon08

朝7時30分の朝食でした。ごちそうさまでしたicon33



 

四国村の左官2

カテゴリー │見学

四国村に移築保存された「土蔵」ですicon35


美しい「なまこ壁」です


曲線がきれいですね。




さりげない「鏝絵」発見icon22


すこし変わったデザインの土蔵です


なまこ壁も斜めになっていません


この「水切り」豪華ですね。瓦が埋め込んであります。


この感じ好きですicon01


すっきりとした、シンプルなデザインの民家icon35です。

左官」を見るだけでおなか一杯になりました・・・icon11
ごちそうさまですicon02





 

四国村の左官1

カテゴリー │見学

香川県高松市屋島に、「四国村」という民家を中心とする古建築をテーマにした
広大な野外博物館があります。

詳細は↓
http://www.shikokumura.or.jp/

・・・実は、全く情報無しで訪れたため無防備でしたが、
左官」がいっぱいicon24

撮りまくった写真を無作為に紹介します!


竈(かまど)」です


引戸の扉ってめずらしいのかな??土と漆喰でできています。


ざっくりとした土の床の間


土壁をバックに、ワラ草履がおしゃれに見えます。


茅葺き屋根。外壁は「土」


柱の形がおもしろい・・・。


土と藁の表情です。


すばらしい床の間ですicon01





 

イサム・ノグチ庭園美術館の左官

カテゴリー │見学

イサム・ノグチ(1904-1988)とは、20世紀を代表する彫刻家で、モニュメント、
庭や公園などの環境設計、 家具や照明のインテリアから、
舞台美術までの幅広い活動を行った、きわめてユニークな芸術家です。
晩年は、ここ「香川県高松市」にアトリエ兼住居を構え、この地が未来の芸術家や研究者、
そして広く芸術愛好家のためのインスピレーションの源泉になることを強く望んでいた
イサム・ノグチの遺志を実現したものがこの庭園美術館です。

詳細は↓をご覧下さい。
http://www.isamunoguchi.or.jp/index.htm


庭園美術館入口です

さて、この美術館の中に彼の彫刻が数多く展示してありますが、
その中に移築した数棟(4棟だったかな?)の「土蔵」の中にも展示があります。

そしてイサム・ノグチはこれらの「土蔵」を移築するときに、
窓のディティールや、外装,内装などすべて彼が指示したそうです。

著作権の関係上、写真撮影禁止でしたicon25
載せれないのが残念なのですが、HPでは遠くからの写真が少し見ることができます。


数棟ある土蔵の一つは、外装が「土佐漆喰(とさしっくい)刷毛引き仕上
で仕上げられており、
独特の薄黄色の色合いと刷毛模様がなんとも柔らかくて暖かくていい感じですicon01
また、窓まわりのアールにデザインされたシンプルなでティールは、
伝統的な日本の土蔵そのものではないのですが、
そのシンプルさと重厚感が非常にすばらしいですicon22

そして内部は、「荒壁」のみで、柱と貫板が格子状に見えており、
また、ワラと荒壁土の黒ずんでいる肌の感じが

(イメージ写真です。※イサム・ノグチ庭園美術館の写真ではありません。)

展示品を有機的・人間的なものとして引き出す役割を
果たしているように思いましたicon11


「土蔵の活用」、「土蔵の移築」、「土蔵のデザイン」、「イサムノグチと土蔵」などなど
左官の視点でもいろいろな観点から見ることができる美術館です。


イサム・ノグチの住居だったところだそうです。
外部は漆喰、内部は土壁、土間は三和土(たたき)・・・。左官がいっぱいicon02

美術館の方にお聞きしたところ、
地元の個人の左官職人さん数名で施工されたそうです。。。







 

金比羅宮の左官

カテゴリー │外壁

香川県の「金比羅宮」を訪れました。
金比羅さん」という愛称でよく知られていますが、
御本宮までの785段の石段を登ったことがある方も多いのではないかと思います。

さて、いつものように「左官」探しですicon01
このような神社仏閣のところはほとんどが漆喰仕上げになっていますが、

ここは、黄色い色の漆喰仕上げになっていましたicon08


目地は白です。



漆喰に色を混入するのは、「色むら」になったり、「白華」が出たりと
なかなか難しいのですが、とてもきれいに仕上がっていました。
何を混ぜて色をつけたのかなぁ??






 

そとん壁の施工<仕上げ編>

カテゴリー │外壁

以前、「そとん壁」という住宅の外壁の下塗り編を紹介しましたが、
http://hamani.hamazo.tv/e1465351.html

しっかりと養生期間をおいて、
上塗り&仕上げを行いました。
仕上げ模様は「掻き落とし(かきおとし)」です。


まずは、塗り付けです。厚さは8㎜程度です。


数時間乾燥させ、剣山のようなものでガリガリと掻きます。
なので「掻き落とし」仕上げって言うんですねicon02


若い職人は、掻き落とし作業はこれが初めてですicon08
少し前までは、「リシン掻き落とし」という仕上が
住宅の外壁では多かったのですが、
サイディングが出てきてから本当に少なくなりました。


でも、よい風合いでしょ!?icon01




 

漆喰と珪藻土の施工例

カテゴリー │漆喰

住宅の玄関・廊下の「漆喰押え仕上げ


和室の「珪藻土(石灰系)フラット仕上げ


を施工しました。

とても左官に興味のある工務店さん(設計屋さん)の仕事でしたが、
自然の健康的な本当にまじめなイエづくりをしているところです。

左官壁は、機能的なメリットicon24はありますが、
樹脂が入っていないための亀裂(クラック)が入りやすいリスク、
湿式工法による工期日数の多さなどのデメリットicon25もあります。

ですが、やはり丁寧に手を加えた現場は、
それだけよい空間になりますし、価値も出ますし、
なにより暮らしやすいのだと思いますicon01









 

左官の竈(かまど)講習会 おまけ

カテゴリー │講習会

実は、
足元には、左官職人にとってはよだれがでる、
すばらしい鏝がこんなにもたくさん並んでいましたicon22

講習会の参加者もみんな興味津々です。。。


そして、気になる材料も惜しみなく公開!!
普通では考えられないことです。。。


さてさて、
この会場の富沢建材さんでは、年に2回このような講習会を開催しております。
そしてここを訪れるたびに新しい見本や材料が展示してありますので、
毎回行くのが楽しみな建材屋さんですicon26

そして今回は、「蟻(あり)」が展示してありました。

これは「品川 博」さんという職人さんの作品です。
なんとモルタルで作ってあるとかicon08
超リアルです!!



 

左官の竈(かまど)講習会2

カテゴリー │講習会

では、施工手順です。
一気に説明します。

全国左官技能大会の優勝者の方々による
すばらしい技術と共にご覧下さい。

まずは、「かっちゃく」と呼ぶ「中塗り土」を塗ります。


次に「砂漆喰」を塗ります(もちろん糊は入っていません。)


さらに、少し「ベンガラで色をつけた砂漆喰」を塗ります。


これだけでも、金ゴテで押さえると少し光って見えます。


最後に「赤ノロ」を塗りつけます。


スポンジなどでムラをとったりしています。


鏝で何度も押さえます。


最後に手のひらで押さえてさらに光らせますicon08


これで完成ですicon22icon22icon22




最後に講師やスタッフの方々です。
一日ご苦労様でした。



感想としましては、技術の高さにはため息が出ます。さすがです。。
そして糊がなくても光る材料の配合がすばらしいです。
この両者があるのでこのような曲面でもきれいに仕上がるのだと思います。

・・・それにしても、こんな贅沢な竈で炊いたお米を食べてみたいものですicon01
さぞかしおいしいんだろうなぁicon11





このように、現在、年に数回、全国の優秀な左官の技能者が講師となり、
様々な左官の工法の講習会を開催し、
それを聞きつけた、左官職人、左官メーカー、雑誌社、鏝屋さんなどが参加して、
左官の技術向上にあたっています。
左官ネットワークはすごいんですよicon02
もし興味のある方は、
ネットで「左官的塾http://home.p06.itscom.net/sakan/
で全国のイベント・講習会の案内を知ることができます。
ぜひご覧下さいませ!

















・・・おまけicon20





 

左官の竈(かまど)講習会

カテゴリー │講習会

本日、東京都中野区の富沢建材にて、
竈(かまど)の伊勢磨き講習会」に参加しました。

講師は、「西川和也」「尾崎孝行」「松木憲司」さんの3人が中心です。

竈(かまど)とは、鍋や釜をのせて食物の煮炊きに使用する昔の加熱道具で
別名「くど」とか「へっつい」も呼んだりします。
昭和初期以前の建物や、時代劇で見たことがある人もいらっしゃると思います。

そして、「伊勢磨き」とは、「大津磨き」や「漆喰磨き」とは異なり、
糊(のり)を使用しない漆喰磨き」の工法です。

この工法の竈は、伊勢名物の赤福餅で有名な「赤福」に行けば見ることができます。

では、この工法について簡単に説明していきます。

まずは、下地です。
耐火レンガ(珪藻土が入った火に強いレンガ)と、
土を使用して下地を作ります。


そのとき、「吸気口」や「釜」を入れるところ、

及び「排気口」を作っておきます。


とっても愛嬌のあるかわいい形をしていますね。。。


つづく。。。



 

人研ぎ

カテゴリー │その他

久しぶりに施工しました「人研ぎ(じんとぎ)ですicon01
正式名称は「人造石研出し仕上げ」といいます。



そして、十何年ぶりに倉庫の奥から出してきて使用したこの機械icon08
本当の名前は分かりませんが、うちの会社では「石臼」と呼んでいます。
石が回転して、研ぎ出しを行う機械です。

人研ぎとは、「セメント」+「砂利」+「色粉」を混ぜて塗りつけて後に、
表面を研いで、テカテカの石のような表面に仕上げる工法ですicon22

今でも小中学校の床や階段まわり、手洗い場でよく見かけることができますよicon11



 

左官技能競技大会

カテゴリー │その他

去る10月3日、静岡県の左官技能競技大会が
開催されました。

製作課題は、「ケヤキの擬板仕上げの組木プランター

弊社からも2人出場しました。


こちらが完成作品です。


セメントと色粉で作っています。


静岡県建通新聞にもその模様が紹介されました。





 

棟方志功の壁画復活

カテゴリー │■その他

ちょっと前の話題ですが、
棟方志功の壁画が復活したそうです。。

半世紀以上も前に、
桐生市のレストラン店主が棟方志功に依頼して描いてもらった絵が、
店の雰囲気に合わないということで、
完成した翌日に漆喰で塗りつぶしてしまい、
誰も見たことがない伝説の壁画だったようですicon08



それを丁寧に剥がしたのが「左官の樋口宗平さん(70)」という方だそうです。
どうやって??という疑問は残りますが、
いずれにせよこんなところでも左官職人が活躍するのは嬉しいことですicon02






 

ブロックベースコンクリート

カテゴリー │■エクステリア

左官工事の一つにもなると思いますが、
エクステリア(外構工事)でよくある一コマの作業、
ブロックベースコンクリート打ち」です。
(コンクリートブロックを積むための下地のコンクリート打ち作業)



なにげなく作業しているように見えますが、
実は色々と考えるポイントがあるんです。

①ブロックベース幅は?
②   〃    の砕石とコンクリートの厚さは?
③お隣さんとの境界ラインとの取合いをどうするか?
④鉄筋の配筋ピッチをどうするか?
⑤水平に型枠が入っているか?
⑥天気はどうか?
⑦コンクリートの量と配合(スランプ,強度,骨材の大きさ)は?
⑧生コン車が入ってこれる程度の道路幅はあるか?
⑨洗い水をどうするか?
⑩コンクリート打ち後、その日は作業が出来ないので、
 他の場所の段取りの確保。


などなど。

こんなコトを毎日考えながら作業してるんですねicon01





 

光る泥だんごの授業

カテゴリー │光る泥だんご

地元の小学校5年生の道徳で、
光る泥だんご」の授業を行いました。

完成した1クラス約40人分の泥だんごですicon22



最初、「左官を知っている人!!」と質問しましたが、
なんと、手を挙げた人は0人でした・・・icon08
ということで、「鏝」「鏝板」を見せて左官の説明をしましたが、
ふ~ん・・・。という感じ。。。


でも事前に作っておいた「光る泥だんご」を見せると、みんな興味津々icon01
ホントに光るのか半信半疑ながらも真剣に作り始めました!


先生も一緒に挑戦ですicon02


しっかりと出来上がり、とっても嬉しそうな笑顔ですicon02



まとめとして最後にこんな話しをしました。

『どこにでもある土や砂や石灰などを上手に組み合わせて、
一生懸命磨くことでとっても輝くきれいなものに生まれ変わります。
これは人でも同じことが言えると思います。
また、一個だけでは失敗しているのも、きれいに光っているのもありますが、
こんなかんじ
(一番上の写真)でみんなまとまると、何倍も良いものになります。
ですので、みんなも協力し合いながら、
一人一人がさらに輝きを増すようにがんばってください。』
icon32


・・・本当は、
『大きくなったら左官の家の壁に塗り壁をしてくださいね。』
そして、『この中から一人でも左官の職人になってくださいね。』


と言うつもりでしたが、忘れてしまいました・・・icon07


それにしても、貴重な体験をさせていただきました。
先生、生徒さんみなさんありがとうございました。
もう一度挑戦したければいつでも遊びに来てくださいねicon11










 

左官の鏝 (大きさ編)

カテゴリー │

鏝の「大きさ」についてです。

昨日の「形状」の話とかぶるのですが、
大きさにも様々なものがあって、
壁の形や仕上げの種類により、
左官職人がその都度、現場に合った大きさのものを使用します。

鉛筆まず大きい鏝について説明します。

大きい鏝のメリットは、鏝の長さや面積が大きくなるので、
平らに塗ったり、押さえたりすることができます。
(逆に、押さえて仕上げるときに、もし平らに塗れていないとすると、
鏝が均等に当たらずに仕上げることができません。)


それから、大きい鏝は一度にたくさんの材料を
乗せることができますので作業性も早くなります。

ただし、大きい鏝ほど力を入れて塗らないと
鏝の圧力がかかりませんので大変です。。。icon20


実用モデルでこんな大きな鏝も販売されているそうですicon08

この鏝は長さ90㎝だそうで、定価で約2万円ほどとか。。。
作業風景を見てみたいです。


この鏝もアイデア商品ですね。なんと!両手で持って作業するそうです。
平らに押さえられそう。。。


ちなみに小さい鏝では、
http://www.sakanya.info/kote_245.htm
こんなのもあるそうです。。。







 

左官の鏝 (形状編)

カテゴリー │

鏝の「形状」についてです。

鏝は本当に様々な形状のものがあります。


この写真もパッと見ただけでは、
どこでどのように使うのか分からない方も多いと思います。

鏝の形状は仕上げの材料や下地の形によって、
塗りやすいように、そして仕上げやすいように、
左官職人が考えて少しずつ進化していったのだと思います。

名前のついている鏝だけでも何種類あるのか分かりません。
とても一つ一つ説明しきれませんので、
私の知り合いがHPで鏝のことをまとめていて、
写真入りで解説していますので、
ここを見ればその種類の多様さがよく分かります。
「左官鏝の解説」 http://sakanya.info/kote_002.htm


また、鏝の説明や販売はこのHPがとても充実していてここもオススメです。
「職人魂」 http://www.dougu.co.jp/

興味のある方は参考にしてください。。。icon01




 

左官の鏝 (材質編3)

カテゴリー │

鉄の鏝」について、もう少し深く突っ込んでみます。

鉄の鏝は、大きく分けると、
「地金」「半焼き」「油焼き」「本焼き」
の4種類あると昨日説明しました。

ですが、どうやら鉄そのものにも種類があって、
一般的には

「SK鋼」
「スウェーデン鋼」
「ハイカーボン鋼」
「安来(やすき)鋼(青紙、白紙、黄紙)」

                         などなど
があるそうですicon06

それぞれ固さや粘りに特徴があるとか!??
中でも一番メジャーなのは「SK鋼」でしょうか?
また、「安来鋼」はとっても高価です指輪キラキラ

けれども、それぞれの「」に
「地金」「半焼き」「油焼き」「本焼き」の鏝が
存在するのかは・・・、スミマセン分かりません・・・icon20

(おそらくは、材質の問題で製造出来ないとか、できたとしても使いにくいということで、
全部はないと個人的には考えますが・・・。誰か教えてください。。。)




これは「特殊鋼」って書いてあるけど・・・はてなはてな


ということで、ちょっと中途半端ですが「材質編」は以上です。

明日は「形状編」を説明しますicon06