挟土秀平の壁2

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次に訪れたところは、

ギャラリー遊朴館です。
高山の町の大きな交差点に突然こんな縄文式土器の壁が現れます。

いまさらながら挟土秀平の作品ということで、
客観的に見ることができなくなってしまったのですが、
一般の観光客の印象はどのように思うのだろう??





私の印象は、土の自然の色がこの町に溶け込んでいるように見えました。
きっとこれがもしペイントなどで描かれていたら
すぐに真っ白に戻せ!なんて言うでしょう。。。

でも、

土蔵の壁=白(黒)の漆喰押え仕上

の概念を変えてしまったこの仕事、

「アイデア」「技術」「度胸」「自信」

のすべてがなければ絶対にできないでしょう。






 

挟土秀平の壁1

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左官職人挟土秀平さんについてはご存じの方も多いと思います。
以前、NHKのプロフェッショナルに出ていた方です。

このような著名人が仕上げる壁とはいったいどんなモノなのか
気になっていました。。。

挟土さんの会社は岐阜県高山市にあります。
ちょうど近くに行く機会がありましたので、高山まで足をのばしてみました。icon27

いくつか見ることができましたので、数回に分けて紹介します。


まずは、「飛騨高山テディベアエコヴィレッジ」内にある壁です。

中に入るとテディベアだけあってかわいいくまさんがたくさんいます。
若いカップルも多くいました。

でも、そんなことには目もくれずひたすら奥に進んでいくと・・・

挟土さんの壁が突然現れます。



柱と暖炉以外はすべて左官のシゴトです。
両脇の亀裂もねらって作ったに違いありません。
海中をイメージしたのでしょうか、中の横の櫛目を引いた壁もだんだんと
下の方が微妙に色を変えて濃くなっています。
よく見るとアンモナイトなども手作りで埋め込んであります。

・・・左官職人の壁というよりも芸術家による彫刻のように
にも見えたりします。

いったいなぜこの壁のアイデアが生まれ、どのような工程で仕上げていったのか
皆目見当がつきません。

でも土の色が柔らかくてとてもきれいです。。。




足下を見るとモルタルの洗い出しで仕上げてあります。
骨材の砂利も工夫されていてきれいです。




外に出ると、お土産さんとCafeがあります。
その外壁も星空のように石を散りばめて埋め込んであります。
きっと左官職人の仕上げだと気づかない人がほとんどかもしれません。
でもそのさりげなさがよい気がします。










 

輪島の土蔵修復活動

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今年の3月25日、富山県の能登半島地震があったことは記憶に新しいことだと思います。
まだほんの3ヶ月前です。。。

死傷者も思ったよりも少なくて良かった・・・なんて人ごとみたいに思っていましたが、
どうやら建物の被害が多かったようです。

先日、建築士会で「東海北陸ブロック前期大会」というのに参加してきました。
そこで、輪島にある土蔵の被害の多さと、ボランティアによる修復活動が
始まっていることを知りました。




建築士,左官職人,学生,地元市民等が一緒になって取り組むとてもよい支援活動
であるように思います。
左官職人の中には久住 章さんもいらっしゃいます。
↓のようにワークショップもこれから多くあります。





静岡からは少し遠いですが、興味のある方一緒に行きませんか??

ブログもあるようですので、私のお気に入りに追加しました。
大変興味深いですよ。



 

予告

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本日6/22(金) 午後10:00~10:25でNHK教育の「美の壺」という番組で、

土壁」の特集があります。

左官好きな人は要チェックですよぉ!!




 

土蔵

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話が前後しますが、先日の左官組合の総会の次の日、
観光で会津若松市に行ってきました。

無計画でしたので、とりあえず古い街並みを歩こうということに・・・。
すると、やっぱり綺麗な左官仕上げの建物がゴロゴロしています(*^_^*)



この土蔵は修繕したばかりだったのでしょうか?
興味津々で近づいてみたら、
この土蔵のおばあちゃんが登場。。。

すると中を見せてくれました。ラッキーです!



この日は30度を超す気温だったにもかかわらず、
土蔵の中はとても涼しいのです。
鍾乳洞に入った気分です!

左官屋のみんなもこの涼しさには感動!!

「土ってすげー!」


・・・でもおばあさんの話では、維持費も修繕費もかかるので
大変だとおっしゃっていました。

たしかにお蔵や土蔵はどんどん壊されている気がします。
私も修繕は何度かシゴトをしましたが、
新築は作り方も分かりませんし、近くで新築をしたなんて話も
聞いたこともありません。
きっと左官職人と同じく激減しているのかもしれません。

ぼくら若手がなんとかしないと。。。







 

珪藻土体験会

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先日の日曜日に、弊社の「第18回 珪藻土体験会」を行いました。




お子さんもがんばって一所懸命塗ります。



今回は大勢でした。




知り合いの設計士さんも来ていただきました。
こてさばきが上手です。きっとどこかで塗ったことがあるはずです。



それにしても、塗っているときは本当にみなさん楽しそうです。



・・・珪藻土体験会は今回で丸3年になりました。
多くの方に塗っていただき、ありがとうございます。

壁を塗ってみたい方、珪藻土を知りたい方、左官に興味がある方、
ぜひ遊びに来てくださいね。

ちなみに次回は8/26(日)AM:9:30~11:30です。


 

泥だんご講習会

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先日、磐田市の小学校で、先生を対象に泥だんご講習会に行ってきました。
講師は、このブログにも時々登場する御前崎の左官屋松本さん。
私はそのアシスタントです。


みんな一つのだんごに向かって集中しています。
光らせたい一心で燃えます(^^)



松本さんの手際の良さはさすが!フィルムのキャップで塗りつけます。



こんなに大きいだんごをつくる先生もおりました。



私もちゃっかりまぎれて一つ作りました。



こんな感じにも出来ます。おしゃれですよね。(作:松本)


最近、泥だんごの制作は全国的にも流行っているようです。

作成方法は日左連青年部のHPに載っています。↓

http://www.aiweb.or.jp/sakan/seinen/dango/index.html

でも、これだけでなく方法はいろいろあるそうです。

たかが土、されど土・・・、こんなとこからも左官が広まっていくのもよいことです。


 

日左連青年部総会

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先日、「日左連青年部定期総会」に福島県福島市に行ってきました。

・・・といっても何それ?っていう人がほとんどだと思いますので、簡単に説明しますね。


日左連:日本左官業組合連合会の略で各地方の左官業組合の全国の代表が集まるところ

青年部:名前の通り、若い人・・・といっても各県によって年齢制限が違いますが、
     おおよそ40代以下というところでしょうか?

総 会:一般的に年間の活動内容の発表やその決算,予算などの承認、
     役員改正などの紹介をする場



つまりすごく平たく言うと、この会は「全国の左官業組合に入っている若い人の集会」
(多少違ってたらすみません。なんとなくフィーリングで理解してください)
ということになります。

私は静岡県の一員として参加してきました。
全国から約200人以上の若い左官屋が集まる機会はそうありません。
とても刺激になります。
     
先月黒漆喰講習会に参加したときの人たちもおります。
来賓には衆議院の先生や市長,県議会員なども大勢駆けつけてくれます。

雰囲気はこんな感じです。↓左官屋のスーツ姿はこの機会くらいで大変珍しいかも?




控え室には左官材料や鏝など販売しています。




こういうことを毎年やっているんですね。すごいでしょ!


で、来年は静岡市で何十年ぶりに開催するそうです。
忙しくなりそうだ・・・。


 

三ヶ日の個展

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三ヶ日の石塚さんという方が個展を開いているから見に来こないか?
ということで行ってきました。

実はこの方、1年以上も前から数ヶ月ごとに、
弊社(ハマニ)に漆喰や珪藻土の材料を数袋ずつ購入しにきていました。

何をしているのか詳細を聞いていなかったのですが・・・、

行ってみたらビックリ!?



こんなかんじで絵がたくさん並んでいました。
絵を作っていたんですね。

漆喰は背景で、炭で中の絵を作成しています。










↑顔のおだやかな表情を出すために多くの中から炭を選ぶのに
苦労したそうです。


そういえば、内装も自分ですべて手作りだそうです。
DIYの域をはるかに超えています。。。

もし見てみたいという人がいましたら、連絡下さいね。




 

左官の講習会 おまけ

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講習会からちょっと目をそらしてみると、
ここの富沢建材には左官のいろいろなものが展示してあります。
たくさんあって紹介しきれませんが、数点だけでも。。。


どうやって磨いたのだろう??




この絵は漆喰です。


何かのコンクール作品のようです。創造性豊かです。


荒壁の断面です。昔の家は全部この方法だったのに・・・。


挟土秀平さんの見本。
平らなところは土、花びらは漆喰だそうです。
これをニュース23の背景で施工したそうです。


いろいろ見させていただきまして、ありがとうございました。m(_ _)m







 

左官の講習会2

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挟土秀平さんの講習会の次の日、、、

東京都中野区にある富沢建材というところで、
「黒漆喰の磨き」の講習会に参加してきました。

ちなみに「黒漆喰の磨き」の技は左官技術の中でも難易度が最も高い仕上げ方法です。

講師は「久住 章(くすみ・あきら)」さんです。
この方は間違いなく現在日本で最も有名な左官職人です。
詳細はネットでたくさんでてくると思います。
ちなみに、この息子さんが「INAXの土・どろんこ館」の壁を仕上げています。

さて、会場に行ってみると、超有名な左官屋がゴロゴロいます。
新聞社、雑誌社、左官材料メーカーもたくさん集まっています。
女性の左官職人も数人います。東京の人だそうです。

全部でざっと200人はいるでしょうか?

そのなかで、とにかく丸一日勉強してきました。


この方は挟土秀平さんの挟土組の社員です。
う・うまい!!



この方は、左官の土の第一人者「榎本新吉」さんといい、
久住 章さんもこの方に教えてもらったという超有名人です。



この方が久住 章さんです。人柄がとってもよいです。
だからみんな慕ってくるんでしょう。
ちなみに、知識と技術はほんとにスゴイです。



この方は静岡から一緒に行った御前崎の左官屋で松本さんです。



これが完成品です。光ってます。



最後に私。久住 章さんと記念写真をぱちり。
ミーハーでスミマセン(^_^;)


さて、私の感想です。

・まず、道具と材料が大事です。ちゃんと聞いてきました。
・次に、ただ塗るだけでなく、平らにスピーディーに塗ることができる技術が必要です。
・さらに、次の工程にうつるタイミングがとても大事です。
その日によって気温や湿度が違いますので、言葉や文章では表現が難しいです。
これは経験を積むしかないでしょう。

ですが、流れ(工程)をすべて教えてくれました。きっと出来ると思います。
そんな講習会でした。
いままでの職人はこれらの技術を秘密にしてきました。
それをこのように全てオープンにして講習会をやることのすごさ、
それを知って集まってくる左官職人の多さ。
まだまだ、「左官」はこれから将来性のある職種だと思いました。







 

左官の講演会

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先月末、多摩美術大学まで「挟土秀平」さんの講演会に行ってきました。

テーマ:「土」を司る左官の技と心

左官業界ではこの方を結構知っている方が多いのですが、
NHKのプロフェッショナルという番組に出演してから一般の人にも全国的に有名になりました。

内容は多摩美の生涯学生センター主催ということで一般の人向けのもので、

・挟土さんのこれまでの業績や仕事内容ぶりの紹介
・いろんな色の土を実際に砕いて水を加えて練る体験
・これからの挟土さんが目指すところ

などの内容でした。


写真撮影は禁止だったのですが、1枚だけ↓の写真を撮らせていただきました。


「泥だんご」といい、天然の土を丸くだんごにして、光らせたモノです。
全部、挟土さんが各所で集めた土で作ったとか。。。
すごく天然の土の柔らかい色合いとおだやかさがとてもきれいです。

私が感じた挟土秀平さんの印象は、

「研ぎ澄まされた感性と孤独さをもつきれいで不安定な人間」

という感じでしょうか?私がいままで見てきた左官職人にはいないタイプでした。