鏝の販売

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先日、鏝の販売会に行ってきました。
場所は御前崎の左官屋「松本工業」さんの事務所でした。

あまりなじみのない方がほとんどだと思いますが、
鏝にもメーカーがあり、形状や質が全く違います。
なので、自分にあった鏝のメーカーや形状などを早く知ることは、
上達の近道であることは間違いないと思います。
(スポーツでいうと、スキーやゴルフなどのようなものです。)

現在鏝を作っているところは、日本のほとんどが兵庫県三木市だそうです。
そして、そのなかでもこだわりのある優れたの鏝メーカーさんたちが
静岡県に来てくれたのです。とても嬉しいことですニコニコ

現在、鏝を作る職人さんがどんどん減っているようです。
鏝がなければ左官仕事ができなくなってしまいます汗

このような機会が全国で増えると、
鏝屋さんが喜ぶだけでなく、
左官職人の技術の向上にもなるかもしれませんし、
お施主様にとっても良いことですよね。
まさに一石三鳥!グッド









 

左官の鏝 (大きさ編)

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鏝の「大きさ」についてです。

昨日の「形状」の話とかぶるのですが、
大きさにも様々なものがあって、
壁の形や仕上げの種類により、
左官職人がその都度、現場に合った大きさのものを使用します。

鉛筆まず大きい鏝について説明します。

大きい鏝のメリットは、鏝の長さや面積が大きくなるので、
平らに塗ったり、押さえたりすることができます。
(逆に、押さえて仕上げるときに、もし平らに塗れていないとすると、
鏝が均等に当たらずに仕上げることができません。)


それから、大きい鏝は一度にたくさんの材料を
乗せることができますので作業性も早くなります。

ただし、大きい鏝ほど力を入れて塗らないと
鏝の圧力がかかりませんので大変です。。。icon20


実用モデルでこんな大きな鏝も販売されているそうですicon08

この鏝は長さ90㎝だそうで、定価で約2万円ほどとか。。。
作業風景を見てみたいです。


この鏝もアイデア商品ですね。なんと!両手で持って作業するそうです。
平らに押さえられそう。。。


ちなみに小さい鏝では、
http://www.sakanya.info/kote_245.htm
こんなのもあるそうです。。。







 

左官の鏝 (形状編)

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鏝の「形状」についてです。

鏝は本当に様々な形状のものがあります。


この写真もパッと見ただけでは、
どこでどのように使うのか分からない方も多いと思います。

鏝の形状は仕上げの材料や下地の形によって、
塗りやすいように、そして仕上げやすいように、
左官職人が考えて少しずつ進化していったのだと思います。

名前のついている鏝だけでも何種類あるのか分かりません。
とても一つ一つ説明しきれませんので、
私の知り合いがHPで鏝のことをまとめていて、
写真入りで解説していますので、
ここを見ればその種類の多様さがよく分かります。
「左官鏝の解説」 http://sakanya.info/kote_002.htm


また、鏝の説明や販売はこのHPがとても充実していてここもオススメです。
「職人魂」 http://www.dougu.co.jp/

興味のある方は参考にしてください。。。icon01




 

左官の鏝 (材質編3)

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鉄の鏝」について、もう少し深く突っ込んでみます。

鉄の鏝は、大きく分けると、
「地金」「半焼き」「油焼き」「本焼き」
の4種類あると昨日説明しました。

ですが、どうやら鉄そのものにも種類があって、
一般的には

「SK鋼」
「スウェーデン鋼」
「ハイカーボン鋼」
「安来(やすき)鋼(青紙、白紙、黄紙)」

                         などなど
があるそうですicon06

それぞれ固さや粘りに特徴があるとか!??
中でも一番メジャーなのは「SK鋼」でしょうか?
また、「安来鋼」はとっても高価です指輪キラキラ

けれども、それぞれの「」に
「地金」「半焼き」「油焼き」「本焼き」の鏝が
存在するのかは・・・、スミマセン分かりません・・・icon20

(おそらくは、材質の問題で製造出来ないとか、できたとしても使いにくいということで、
全部はないと個人的には考えますが・・・。誰か教えてください。。。)




これは「特殊鋼」って書いてあるけど・・・はてなはてな


ということで、ちょっと中途半端ですが「材質編」は以上です。

明日は「形状編」を説明しますicon06





 

左官の鏝 (材質編2)

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鉄の鏝についてです。

一般的には、

・地金(じがね)
・半焼き(はんやき)
・油焼き(あぶらやき)
・本焼き(ほんやき)


の4種類があります。
これらは柔らかい順に並んでいるので、
地金」の鏝が最も柔らかく、「本焼き」の鏝が最も固いことになります。

そしてこの固さは、「材質」や「製造過程」で変えることができます。
それは鉄の性質で「炭素」が多く入るほど固くなり、
また、「焼き入れ」すると固くなります。

なので、「地金」の鏝は鉄の中に炭素はほとんど入っておらず、
焼き入れもしていません。
対照的に、「本焼き」の鏝は炭素が多く、焼き入れを行います。
半焼き」「油焼き」はその中間になります。

見た目では、固い鏝の方が光って見えます。

写真の左の鏝は「地金」で右の鏝は「本焼き」ですので、
分かりやすいでしょうか?
でも、左官職人なら見た目でなくても、
塗っただけで分かりますicon01

これらが、鉄の鏝の基本になります。。。icon11




ちなみに、「地金」の鏝はここ静岡県内に置いてある店は少ないです。
地金の鏝を多用する「土」や「漆喰」の仕事が少ないからなんでしょうか・・・??


 

左官の鏝 (材質編1)

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今回から何回かに分けて鏝(こて)について解説します。
左官職人が壁を塗るために必要な道具ですが、
本当にたくさんの種類があります。



一般の方はとても分かりにくいので、
できるだけ分かりやすく
基本的な部分を説明します。

まず、鏝の種類は、

1.材質 2.形状 3.大きさ 4.壁の仕上げの種類

など全てにおいて違い、何百、何千種類もあるといわれていますicon08
つまり左官職人は、用途に応じて使う鏝の種類を変えていくわけです。

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今回は
1.材質>についてです。
つまり、鏝は何でできているんでしょうか?ということです。

一般的によく鏝屋、金物屋で市販されているものでは、
A.鉄 B.ステンレス C.木 D.プラスチック
があります。
そしてこれらは、

なんで違うの?」「 どのように使い分けているの?

なんてこともよく質問されますが、
一言でいうと

固さが違って、塗りやすさと仕上げよって使い分けている

ということなんだと思います。
つまり、
表現が微妙なんですが、「厚くてやわらかくてザラザラの鏝」は、
塗るときに滑らないので、塗りやすく平らにしやすいです。
そのかわり、塗ったときの表面の表情(肌)は荒くなります。
一般的に「木鏝」なんかが分かりやすいと思います。

「木鏝」名前の通り木で出来ています。

逆に、ステンレスの鏝は「硬くてつるつる」ですので、
土やモルタルを塗りつけるときは、滑って塗りにくいです。
なので、最後の仕上げで押さえるときに使用すると、
とても表面がとても細かくきれいになります。

「ステンレス鏝」

では、「A.鉄」の鏝はどうなんでしょうか?
鉄の鏝はさらに細かく分類できます。
                                     つづく。



 

鏝鍛冶

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左官の鏝(こて)を購入したら、
金物マガジン」(発行所:エフキューブ)という小冊子が付いてきました。

中には「鏝鍛冶(こてかじ)」の特集がありました。
「鏝鍛冶」とは「鏝を作る人のことで、鏝屋さんという意味です。」

みなさんの笑顔が本当に素敵ですicon02


ピカピカの鏝icon22はこんなに薄暗い無機質な場所で制作しているんですね。



団塊世代退職による左官職人の減少が叫ばれていますが、
鏝鍛冶はそれ以上に数が少なくなっているそうです。icon20
この写真にある兵庫県三木市の「梶原製作所」さんは後継者がいる
数少ない鏝鍛冶さんのようです。

鏝がないと左官職人は仕事ができません。
カリスマ左官の一人である「久住 章」さんは、
もっと左官職人にたくさん鏝を購入してもらい、
よい鏝鍛冶さんを残して欲しいと懇願しています。
そのためには「お歳暮やお中元に鏝を送ったらどうか!?
なんてこともおしゃっていましたicon11

よい鏝で作業すると精度も腕も上がります。
考え的には、ゴルフやテニスやスキーなどのスポーツと近い気がします。

ということで、今月から月1回飲みに行くのをやめて、
毎月1本ずつ浮いたお金で鏝を買うことにしようかな!?icon01