糊さし仕上げ

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本日「糊さし仕上げ(のりさししあげ)」の施工を行いましたあしあと黒
糊さし仕上げ



この仕上げは、

「土(粘土)」
糊さし仕上げ
「珪砂(けいしゃ)」・・・砂
糊さし仕上げ
糊さし仕上げ
「みじんスサ」・・・ワラをとても細かくしたスサのこと
糊さし仕上げ
「角叉(つのまた)」・・・海藻のり
糊さし仕上げ
という自然素材ばかりの4種類の材料をを配合して塗ったものを「糊さし仕上げ」と言います。


普段はプレミックス(配合済みで水を加えるだけ)の材料を使うことがほとんどなんですが、

・本物の土の色と風合いを出したい
・自然(天然)素材を使用したい
・しかも安価で・・・。


というお施主さまのご要望をかなえるために、
この仕上げを選びました。


また、今後そこそこの腕の職人さんでも施工できるように、
鏝も出来るだけ一般的に市販しているものを使用しましたicon26


そして本来ならば、「中塗り土」という土で下地を作るのですが、
安価にするために、
ボードベース」<近畿壁材>という下地処理材を全面に塗り、
(ボードベースは塗った後の水引が遅く、
水引のムラが少ないというメリットがあります。)

乾燥後、その上に仕上げを行うことにしましたicon11

糊さし仕上げ

正直、今回初めての施工でしたが、
いろいろと配合を変えて見本を作成してみましたが、
それぞれの配合を変えるだけで、
塗りやすさ、亀裂の出やすさ、ワラと砂の表情の違いがすべて変わります。
なので、どれが正解という配合も無いそうです。。。

というのも偶然、一昨日ブログで紹介した「土と左官の本4」に、
久住章さんがこの材料の配合をいろいろと試した結果が掲載してあり、
これがとても参考になりましたicon08

・・・さてさて乾燥した後、どんな感じになるのやらicon01










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この記事へのコメント
光る泥団子から「土」のことに
興味を持って今にいたります。
創作アートとして土にふれています。

現場で土や糊や砂などの
配合をされるのは、
昔は当たり前だったことなのでしょうが、
「早く」「手軽に」が求められて
今では大変なことでしょうね。

知識や経験があるベテランの職人さんも
順に引退されていく業界でしょうし。

そんな中で
材料をまぜて、しかも
一般の人でもさわれるような
鏝を使って・・・と
(もちろん安価なのでしょうけれど)
手間をかけられていることに
すごいなあ・・・と感じます。

わたしも手作りで
漆喰をつくったり(消石灰、スサ、砂、糊)、
粘土をいじったりしているのですが、
少ない量でもヒマがかかるのを
体験しているので、すごさ加減が想像できてしまうのです。

ブログでも丁寧に紹介されていて
とても分かりやすいです♪
Posted by マユミ at 2008年11月10日 21:13
>マユミさん
はじめまして。
初コメント&私のつたないブログを見ていただき
ありがとうございます。

私はしばらく左官を職においていますが、
土や漆喰などの自然素材の魅力を知ったのは、
恥ずかしながら実はまだ1年半前なのです。。。

そして、そのような観点から
左官の歴史も含めて調べはじめてみると
左官の深海のような底が見えない奥深さに
取り憑かれてしまいました。

どこまで深く海底探査ができるのか分かりませんが、
少しでも左官のよさを一般の人に知ってもらいたいと
そして私が感じたことを素直に書きたいと
ブログをはじめさせていただきました。。。

まだまだ知らないことだらけですので、
何か変なことが書いてありましたら、
いつでもコメント下さいませ(*^_^*)


材料の配合は本当に難しいと思いました・・・。
私の身近な年配の職人も分からないような仕上げが
左官の本にたくさん書いてあります。

しかも文章や写真では壁の本当の色や風合いは分からず、
各地の建物の壁を見たり、
講習会にもできるだけ積極的に参加し、
ようやく今回の壁を塗ることになりました。

今後また、このような土を使った壁を塗る機会を得ることができるように、
精進していく所存です!!


さて、マユミさんのブログも拝見させていただきました。
とてもすばらしい泥だんごを作られていて、
また、あのクローバーの泥だんごの逆転の発想、
まさしく衝撃的でした!!
私の泥だんごは既製品の石灰クリームを使用しているので、
まだまだ本格的ではありません。。。

でもこの泥だんごは、
土や左官を知ることができる啓蒙活動の一つとして
最も普遍的なものであると思っておりますので、
これからもあちこちで作っていきたいと考えております。

またいろいろと教えてくださいませ。

どうぞよろしくお願いいたします。
Posted by 802 左官802 左官 at 2008年11月12日 22:33
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